故郷を愛し常に済州道の発展を願い、在日出身者として親睦を深めようとする関西済州特別自治道民協会が、結成総会を開催するにあたり皆様とともに祝賀できますことは、この上の喜びであると共に感無量の念を禁じえません。過ぐる年、6月3日、在大阪済州道出身者四団体の統合推進委員会から統合された一つの団体としての委任を受けた本協会の、今日までの経験を要約して簡略にご報告いたします。
玄海を渡って異国に住むようになった済州道出身として、なつかしい故郷のためになる事業をしようと、大阪において済州道出身者四団体が結成されそれぞれ三十年が経過いたしました。この短い間に我が故郷の済州道は大いに変貌し、近代的な田園都市として、また国際観光リゾート地として登場することになりました。郷土のめざましい発展の姿をみるたびに、済州道人としての誇りを感じずにはいられません。
済州道がめざましい飛躍発展をなしとげた歴史の分岐点に、本協会としては多少とも参与することになったことを誇らしく思い、またその間の会員皆様の厚いご協力に対して心より感謝を申し上げます。改めて言うまでもなく、本協会は相互間の親睦と郷土発展及びに、次世代を育成する事業を推進することになりました。
具体的には郷土訪問を通して相互間の交流とそのときどきの時代に適した各種の講演会・親睦会・新年会・青少年の民俗教育など、多彩な行事を企画推進することになります。このような行事は、異国で生活する済州道出身者として親睦を深め質資の向上において、大変意義ある事業であります。私たちはこのような事業を積み重ね、それを堅固な台としながら済州道と日本をつなぐ架け橋として前進していきたいと思います。
いまや済州道は過去のイメージを完全に払拭して、将来に向かって明るい展望に溢れています。在日同胞もまた、三世・四世という新しい世代が全面に登場することになりました。
この機会に、わが故郷・済州道がいつまでも繁栄し、そして私たちの子々孫々にいたるまで済州道を愛し、済州人としての誇りをもってくれることが私たちの願いであります。この願いを具体的に組織すべく、関西済州特別自治道民協会の結成総会を開催することになりました。
十数年前から在大阪済州道出身者四団体は、済州道行政当局との要望、また連絡事項においては共同で対処するため四団体連絡協議会を置き、そのつど対応してきました。しかし、四団体の事業、目的がほとんど同じであるため、統合の必要性を痛感し、済州道四団体統合委員会に名称を変え、統合実現に向け努力してきました。
ところが、一定の前進がみられず、局面を打開するために、四団体の顧問を加えた統合推進委員会へと組織を拡大して毎月会議を開き統合推進の具体案を検討しながら活発に活動を展開してきました。四団体統合推進に関する調印及び共同声明発表を契機に、はじめて「済州道民慰安の夕べ」を開催し、済州道特産品販売展示ならびに済州道知事を囲んで懇談会をもつなど、統合に向けての環境、条件づくりにあらゆる努力を傾注しました。大変困難でしんどい作業であったように思います。
済州道四団体統合委員会ならびに内外道民の統合への深い関心と要望に応えるために、1993年9月30日、康忠男氏は、仮称「済友会」結成準備委員会のご要望を受け入れ会長就任を受諾いたしました。